【フィギュアレビュー】ウルトラ怪獣シリーズ 地底怪獣テレスドン

【フィギュアレビュー】ウルトラ怪獣シリーズ 地底怪獣テレスドン

2025年5月2日

みなさんは、オタク人生の中で、何かヘンな事に取り組んだ事はあるでしょうか?

拘りや好奇心が強すぎるあまり、後で考えた時に「何やってたんだろう?」と思うことになるかもしれませんが、あの時間に捧げた情熱はきっと未来の自分へ勇気を与えてくれるのではないかと思います。

そうでも思わないと過去の自分が報われませんからね。

そんな私のヘンな取り組みは、”同じ商品の色違いを集める”というものです。

もう手放してしまったので、今はもう残っていませんが、スマホの写真フォルダを整理していたら写真が残っていたので、紹介したいと思います。

ウルトラ怪獣シリーズ 地底怪獣テレスドン

テレスドンというのは、ウルトラマン第22話「地上破壊工作」に登場する怪獣です。

劇中では、地上支配を企む地底人が、地上攻撃の為に送り込んだ先兵のような役割で登場しました。

デザインはシャープでかっこいいのですが、良くも悪くもシンプル過ぎるせいで、初見では印象に残りませんでした。

戦闘シーンも画面が暗くてわかりにくいうえ、ウルトラマンの一方的な猛攻撃にダウンして息絶えるという地味な扱いだったので、どちらかと言うと弱い怪獣みたいな記憶が長らく染み付いていました。

それがある日、社会人になって特撮熱が再燃してからのことです。

リサイクルショップで怪獣ソフビを眺めていた時に、テレスドンのソフビを見つけました。

カラーリングは後述の1990年代verなのですが、なんだか妙に愛嬌のある放っておけない感じが頭から離れず、気になって購入しました。

子供の頃はおもちゃ屋さんで見かけても手に取ろうとすらしなかったテレスドンに一目ぼれしてしまい、そこから何故だかカラーバリエーションを揃えてみたくなりました。

時期的には大怪獣バトルがはじまってウルトラマンギンガが始まる前なので、現行のミニサイズのソフビに代替わりする前です。

あの頃はまだ旧ウルトラ怪獣シリーズも中古市場に数多く流通しており集めやすかったので、全てを揃えるのにそこまで時間はかかりませんでした。

1980年代ver

バンダイのウルトラ怪獣シリーズ最初期のテレスドンです。

ざっくり1980年代verとしましたが、足の裏の刻印が1983だったことから、実際の流通は1983年以降だということがわかります。

1983年よりも前は、ザ★ウルトラマンやウルトラマン80が放送されており、ポピーのキングザウルスシリーズの時代でした。

それが、83年を境に、バンダイのウルトラ怪獣シリーズに切り替わったのです。

この造形のテレスドンはウルトラマンギンガが放送される2013年まで30年近くに渡って生産されていたので、時代の変化を駆け抜けていた歴史の生き証人と言えるでしょう。

2025年現在の今では信じられませんが、日本の代表的な特撮ヒーローであるウルトラマンも仮面ライダーも、80年代~2000年代にかけてはシリーズが終わったり復活したりを繰り返しており、視聴者の気分としては「この番組がシリーズ最終作かもしれない・・・」とハラハラしながら観ていたような気がします。

それが今やウルトラマンシリーズは2013年のギンガから連続12年、仮面ライダーは2000年のクウガから連続25年も継続して続いているのですからすごいものです。

どちらかと言うとシリーズが連続で10年以上続いてる方が信じられないですが。

話が少し脱線しましたがフロントビューです。

成型色は実際のテレスドンと同じく茶色ですが、再現度は今一つ。

味わいのある茶色ではなく、クレヨンの茶色をそのまま使ったような茶色です。

胴体に金の塗料が吹き付けられており、おもちゃとして地味にならないように配慮されています。

この金色塗装、左側が塗られていないんですが、全部こんな風なのか、それとも個体差なのか。

左側面から。

蛇腹状の腕と脚に、いい感じに金色が付いています。

ベタ塗じゃなくて、蛇腹の段差に合わせて、イラストのハイライトみたいな感じで塗られているのがよいですね。

右側面から。

背びれは右側面だけ金色がついています。不思議ですね。

背中。

金色がいい感じに吹かれています。

こうやって見ると、体色というよりも光沢感を表現しているみたいですね。

1990年代ver

続いては1990年代に流通していた成型色が灰色のものです。

私の幼少期はこのテレスドンでした。

色のせいで実際のテレスドンとは似ても似つかないんですが、おもちゃ屋さんに置いてあった都合、一番馴染みのあるVerです。

フロントビュー。

胴体の金スプレーは気持ち控えめですが、それがいい味を出しています。

左側面から。

80年代verでは金色が少し浮いてましたが、90年代verは成形色のおかげもあって馴染んでいます。

右側面から。

金色の塗料が吹かれている箇所は80年代verと同じなんですが、色の乗っている面積が控えめなんで、落ち着いた印象になっています。

金色の色合いも、若干緑がかっている感じがしますね。

背面から。

背中全体に塗られていた金色が背びれだけの塗装になったので、引き締まった感じがします。

80年代verでは尻尾の途中で終わっていた塗装も、90年代verでは尻尾の先まで塗られていて良いです。

2000年代前半ver

2000年代前半verです。

この時期のウルトラ怪獣シリーズって、原作準拠のカラーリング再現ができてきていたんですが、その中にいくつかケバいのが混じっている印象があります。

このテレスドンがそうですね。

黒い成型色にメタリックブラウン(カッパー?)が乗っているドギツイ配色です。

原作とはかけ離れているんですが、何故だか妙にかっこよくキマっています。

フロントビュー。

胴体の塗装が胸部から腹部にかけて全体的に塗られていて、胸板の厚さを物語っています。

比較的新しい方なので、塗料の乗りがキレイですね。

80年代verと90年代verは流石にところどころハゲてしまっている個体が多いので、汚く見えてしまいます。

ちなみに、歴代テレスドンの中で歯が塗装されているのはこの2000年代前半verだけです。

左側面から。

腕と脚の塗装が、造形の凹凸に合わせたものではなく、完全なベタ塗になっていますね。

頭部から背中にかけての造形もメタリック塗装のおかげで立体がわかりやすくなりました。

右側面から。

このテレスドンのソフビ、目の造形が左右で明らかに歪んでいて、右から見た時は草食動物みたいに外側を向いてるんですけど、左から見ると肉食動物みたいに前を向いてるんですよ。

だから、印象が変わるんですよね。面白いですね。

背面。

歴代テレスドンのソフビの中で一番背中の塗装面積が広いです。

なんだか違う怪獣みたいですね。

2000年代後半ver

そして2000年代後半verです。

大怪獣バトルの時期です。

確か基本ラインナップの番号が振られているものじゃなくて、数量限定のEX扱いだったかと思います。

やっと原作準拠のカラーリングになりました。

造形は80年代の頃から何一つ変わっていませんが、配色が原作に似るだけでこんなに印象が変わるんですね。

ちなみに、一番テレスドンぽさが出ているのって、爪が塗装されてるところだと思います。

歴代テレスドンソフビの中で爪が塗装されているのってこれだけなんですよ。

フロントビュー。

良くも悪くもテレスドンなので、ここが塗装されてますとか、あそこが塗装されてますとかコメントできるところがありません。

左から。

テレスドンのソフビって、劇中みたいな前傾姿勢ではなく直立しているので、なんだかすごい間抜けなんですが、色が原作準拠になるだけで妙にしっくりきますね。

右側面から。

色が原作準拠であることに加えて、ところどころシャドウが入っているので、造形の立体感がよく出ています。

背面です。

塗装がマットなので、劇中の質感によく似ています。

2013年以降ver

長らく続いたウルトラ怪獣シリーズも、2013年のウルトラマンギンガ放送開始に伴い、造形が刷新されます。

コストを抑えるためにサイズダウンしましたが、ウルトラマンギンガ劇中で怪獣に変身するための”スパークドール”という小道具としても使われていたので、怪獣フィギュアとなりきり玩具としての両方の側面を持つようになりましたね。

最近はウルトラマンやスーパー戦隊でも、家庭事情を考慮してか、子供の遊びの幅を広げるためか、なりきって遊ぶ武器・変身アイテムと手に持って遊ぶ人形を兼ねる商品が増えてきましたね。

スパークドールはギンガ劇中の設定なので、以降のシリーズではフェードアウトしていきましたが、ウルトラ怪獣シリーズはサイズダウンしたままで現在まで続いています。

側面比較。

プロポーションが実際の着ぐるみに近くなりました。

現行のウルトラ怪獣シリーズは塗装が省略されることが多いのですが、テレスドンはそもそも色数が少ないので塗装省略の煽りを食らう事がなく、非常にデキのいい人形に仕上がっていたと思います。

ちなみに、テレスドンの背びれの先端って針のように尖っているんですが、これが初めて造形されたのは2013年verからです。旧ウルトラ怪獣シリーズでは背中と一体化された造形になっていました。

さいごに

みなさんの幼少期は、どのテレスドンが発売されていたでしょうか?

懐かしい気持ちになっていただけたら幸いです。

ウルトラ怪獣シリーズは1980年代から2000年代まで20年間にわたって色を変えながら長らく流通していたフィギュアなので、世代によって認識が異なってくると思います。

バルタン星人やレッドキングなど知名度のある怪獣は途中で造形がリニューアルされたりしましたが、このテレスドンは最初から最後まで造形が変わることなく生産され続けたアイテムです。

2025年現在になると、1980年代のソフビも見かけなくなってきましたが、興味が沸いたら是非皆さんも色違いソフビを集めてみてください。

楽しいですよ。