今日もウルトラ怪獣日和~その1~

今日もウルトラ怪獣日和~その1~

2025年1月5日

はじめに

以前、ウルトラマン&怪獣手帳2025について記事を書いた際、毎日一日毎に、その日に放送されたウルトラシリーズの物語のあらすじが掲載されている事をお話しました。

ウルトラマン&怪獣手帳2025で一年をウルトラ楽しもう
はじめに 2025年がはじまりました。 新年がはじまると、何かと「今年はこんな事をやってみたい」なんていろいろ思い浮かべるものですが、 私個人の目標としては、"…
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1月1日に掲載されていたのはウルトラマン第25話だったわけですが、当然ながら、1月2日以降も、その日に放送されたウルトラシリーズのあらすじが掲載されています。

巻末にも作品リストとして、こんな風にまとめて記載もされています。

と、いうわけで、せっかく手帳に書いてあることですし、毎日1話ずつ観ていく事にします。

1年は365日あるので、流石に毎日一話ずつ観るのは大変だとは思うのですが、正月休みくらいは時間があるので、ちゃんとやろうかと思います。

本当に1年やりきれたら大したものですね。

ウルトラQ第1話「ゴメスを倒せ!」

ウルトラシリーズが初めてTV放送された記念すべきエピソードで、放送日は1966年の1月2日、まさに正月休みの中で放送された回です。

当時は今みたいに特撮番組がTV放送なんてされていない時代。

怪獣と会えるのは、年末年始に公開される怪獣映画だけ。

そんな時代に「お茶の間でも怪獣映画を」という思いで作られたのがウルトラQだったわけです。

(当初は特撮ミステリー企画だったものが、途中で怪獣路線に切り替わったので最初からお茶の間に怪獣映画を届けるためだったかと言うと厳密には違うんですが)

「当時の子供たちは正月から怪獣が観られたのか~」とワクワクするところもあるのですが、製作側としては「正月に放送しても(実家に帰省するなどして)誰も観ないだろうから」という理由で反対していたみたいですね。もっとも、視聴率は32.2%を記録したということで、製作側の心配は杞憂に終わったわけですが。

何かが起こりそうな空気感の工事現場を経て、OPのスタッフクレジットと共にゴメスの巨体が長々と画面に映り、OPが終わったかと思ったら、レギュラーキャラクターの3人組が流れるように登場して現場に向かう・・・というスピーディでわかりやすい導入に、主人公の万城目とヒロインの由利子が洞窟内に閉じ込められて二人だけで奮闘するなど物語構成もわかりやすく、流石第1話だ!!と唸らずにはいられない内容ですが、当初の予定では第3話「宇宙からの贈りもの」が放送される事になっていたということで、もしかするとウルトラ怪獣第1号の座をつかみ取ったのがナメゴンになっていたかもしれないというのは、今後の歴史が変わっていたかもしれない非常にスリリングな出来事ですね。

この回に登場するゴメスは、名実共にウルトラ怪獣第1号の座に君臨するわけですが、直撃世代の知名度とは裏腹に、初登場から40年近く経った後の「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY」が放送されるまで長らく再登場しない怪獣でした。

そんな訳もあり、子供心に「最初に出た怪獣だけどなんだか地味だなぁ」としか思っていなくて、ゴメスの魅力を理解できたのも、ここ最近になって、特撮の歴史について調べ始めてからでした。

(商品化も2000年代になってからなので、かなり遅い方です。90年代初頭あたりに発売しておけば当時世代にかなり売れたんじゃないかと思うのですが。)

大怪獣バトルでの登場以降は、着ぐるみがあるからという理由もあるのでしょうが、度々再登場するようになり、ポピュラーな怪獣になったような気もします。

事前情報無しで「シン・ウルトラマン」に登場した時はかなり興奮しましたね。

戦闘シーンも、ひたすらにゴメスの顔アップと、リトラの翼がバサバサとはためくカットの連続で、野性味あふれる猛々しい映像になっており、今後のウルトラマン対怪獣の戦い方とは異なる演出で、なかなか面白いものになっています。

リトラの動きが翼のはためきだけで表現されるのは、当時の特撮技術で鳥型の怪獣を操演するのが難しかったが故の苦肉の策だとは思うのですが、それはそれとしても迫力ある映像で大満足でした。

ウルトラマンレオ第39話「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」

1975年1月3日に放送されたエピソードです。

ババルウ星人が化けた偽アストラにウルトラマンレオが騙され、ウルトラ兄弟たちと死闘を繰り広げるという衝撃的な回の後編です。偽アストラがウルトラの星から奪ったウルトラキーの力で、ウルトラの星が本来の軌道を外れ、地球と衝突しようとしており、それに伴う天変地異が巻き起こるなど、絶体絶命の状態です。

敵対関係にあるとは言え、過去のウルトラ戦士たちがゲスト出演するということで、イベント編の扱いではあります。

1日にウルトラマン、2日にウルトラQと60年代の作品から、3日目でいきなり10年近く時代が飛びますが、だからこそレオ当時の厳しい製作環境が露骨に見えてくると言うか・・・特撮のグレードがパワーダウンしているのがよくわかります。

基本的にウルトラシリーズって後年の作品になればなるほど特撮のグレードがアップしていくものなんですが、70年代は毎年1年モノのシリーズを4年連続で作り続けていた都合、かなり効率化されたものになり、その分、採算度外視で作りまくっていた60年代のウルトラシリーズに比べると平均的なクオリティは下がってしまっている感は否めないところがあります。(それでも、同時期の他社の特撮に比べれば間違いなくクオリティは高いのですが)

でも、このレオ第39話、ニュージェネレーション(平成第3期)が放送されている2025年現在で考えると、いろいろと観方が変わりますね。

子供心に、ウルトラマンは一度に沢山出てきてはいけないような、そんな様式美を守らないといけない気がしてたので、レオ39話みたいに地球にウルトラマンがぞろぞろやってきて、わちゃわちゃやっているのは嫌だったんですが、ニュージェネのウルトラマンってレオ39話みたいな事を頻繁にやっているんですよね。

時代が変わって、自分も変わったという事ですね。

ウルトラマンタロウ第40話「ウルトラ兄弟を超えてゆけ!」

1974年1月4日に放送されたエピソードです。

過去にウルトラ兄弟たちに倒された怪獣たちの怨念が合体した暴君怪獣タイラントが、ウルトラ兄弟を蹴散らしながら地球を目指してやってくる、という物語です。

ウルトラマンタロウは昭和ウルトラマンの中では一番好きなウルトラ戦士なので、観てて楽しいですね。

主題歌もよいです。

第40話の見所(?)と言えば、35大怪獣宇宙人登場ということで、OPテロップに沢山の怪獣が表示されることですね。35匹分全て表示しないといけないので、テロップの進みが凄く速いんです。

OPテロップだけ見ると、ものすごい沢山の怪獣が出てきてワクワクするような気もするんですが、実際には過去のウルトラ兄弟たちが戦っているときの映像が回想として流れるだけで、本編に登場するわけではないんですよね。

それはそれでどうなんだ?という話なんですが、VHSやDVDといった映像メディアすら無い時代の話なので、怪獣が動いてるところが観られるだけでも当時の子供たちには嬉しかったのかなぁ、と思ったり思わなかったり。

双葉社から発売されている「ウルトラマンタロウ」の青春という本では、「子供たちにはウケていた」と田口氏(タロウ第40話の脚本担当)が証言している反面、本の著者である当時視聴者の白石氏は「ガッカリした」と証言していたり、いろいろありますね。

このタロウ第40話は、宇宙でのウルトラ兄弟の戦いと、主人公:東光太郎が少年の自転車の練習をするくだりが同時平行で展開していく構成になっています。

光太郎が地球で自転車の練習に付き合っている間に、暴君怪獣タイラントはウルトラ兄弟を蹴散らしながら着々と地球に向かってくるのですが、ウルトラ兄弟たちが尺の都合かアッサリ負けてしまうのが頼りなく感じます。光線技を使う前に倒れてしまった兄弟もいて、煮え切らない気持ちもあります。

あと、なんていうのか、この辺は素直に楽しんでおけば良いとは思うんですが、太陽系の惑星が都合よく一直線にならんでいるのもヘンなところですね。ウルトラ兄弟とタイラントを戦わせる都合、戦いの舞台として各惑星に立ち寄っていた方が物語の展開上やりやすいので当然の話なんですが、素人目に考えても都合が良すぎる事を完成作品としてアウトプットするのって、やっぱりエンターテイメントなんだなと思います。

前述のレオ第39話にしても、地球から300万光年も離れた場所にあるウルトラの星がアッと言う間に地球まで移動してくるというのも、冷静に考えるとおかしいのですが、現実的な正しさよりもウルトラの国が地球と衝突する!!というインパクトの方が面白いので、いかにして正しさを無視していくかって物語つくりにおいては大切なんだな、というのを感じます。

そういえば、第40話ってウルトラ兄弟の戦いと回想シーンが本編の大部分を占めている都合、物語の内容自体は物凄く薄いんですが、自転車の練習に対する恐怖を、強敵怪獣に立ち向かう恐怖と結びつけることで、テーマ性を作りながら、特撮部分と人間ドラマをリンクさせていて、よくできていると思います。

たまに「怪獣退治と自転車の練習を一緒にするな」という意見を見ることもあって、確かにそれはその通りなんですが、自分もなかなか自転車に乗れなかった(同級生は小学3年生で乗れていたのに、自分だけは小学4年生でやっと乗れた)タイプの人間なので、大袈裟とかじゃなくて本当に自転車怖かったんですよね。

ウルトラマンコスモス第27話「地球生まれの宇宙怪獣」

2002年1月5日放送のエピソードです。

子供を出産するために地球にやってきた宇宙怪獣ザランガの出産を、チームEYESとウルトラマンコスモスが手伝うも、ザランガは出産の瞬間に体温が急上昇して危険な状態になってしまう・・・!!

というあらすじです。

実を言うとウルトラマンコスモスをちゃんと観るのははじめてです。

放送当時、たまたまテレビを点けた時にやっていた第49話と、後年のウルトラマン列伝で第25話の再放送を観ただけです。その他は、映画「ウルトラマンサーガ」でコスモスがゲスト出演したのでムサシ隊員がどんなキャラクターなのかはわかるくらいで、その他はそれ以降は観ず終いでした。エピソード数が65話あることに加えて劇場版が3本もあるので、少し敬遠していた節があります。

第1話から順番に観ていこうと思うと尻込みしてしまいますが、ウルトラマン&怪獣手帳で「この日にはこの回が放送されました」って書いてあるのを1本観るだけなら、心理的ハードルも低いですね。

ちょっと困ったのが、いきなり途中の回から観ているので、いつもの番組の雰囲気がわからなかったことです。

第49話と第25話を観た時は割とシリアスな内容だった気がするのですが、第27話は割とソフトな雰囲気やコミカルな描写があったのでギャグ回っぽく見えて振れ幅が違い過ぎたので、コスモスの平常運転の時の雰囲気がわからなくて、戸惑いました。

特に一般人の温度感がわからなかったですね。

前述の通り、ザランガは子供を出産するときに体温が急上昇するという特徴があるので、体温を冷却できる海中にいないと自らの体温で命を落としてしまうのですが、地球到着時点で陸地にいたためチームEYESが住宅地を避けながら海まで誘導することになります。

その道中、一般人が「Welcome宇宙怪獣」と書かれたメッセージボードを掲げながら騒ぎ立てるので、ザランガが本来の誘導ルートを逸れて住宅地に向かってしまうという展開になります。

「Welcome」という言葉だけ見ると、コスモスの世界観では怪獣という存在が、街を破壊する恐怖の対象では無く、人類全体で共存していく存在であると一般人レベルにまで受け入れられている懐の広い世界観のようにも見えるのですが、今回登場する一般人が割と陽気な、今風に言うとパリピな方々だったので、怪獣をよくわからずに面白半分にはしゃいでるだけにも見えてしまうんですよね。

その辺ちょっとモヤモヤしたんですが、その辺は今後、ウルトラマンコスモスを観ていくうちに、どういう世界観なのかわかっていくと思うので、楽しみにしようと思います。

ウルトラマンコスモスと言えば、”怪獣を倒さないウルトラマン”ということで、放送当時は異色作のような印象がありましたが、怪獣の特性を把握して対処したり、悪意が無い怪獣でもその力によって不可抗力的に街に被害が出てしまう、という要素は従来のウルトラシリーズや怪獣モノでも描かれた正統派な内容なので、アプローチが変わっても本来あるべき姿はちゃんと残っているんだなと感心した次第です。

ウルトラマン&怪獣手帳2025で次にコスモスがチョイスされているのは1月12日に放送された第28話です。

次回予告だけ観ると、チームEYESの怪獣保護の活動に疑問の念が向けられており、メンバーが葛藤する、という少しシリアスな内容のようですね。

さいごに

というわけで、正月休みをウルトラマン漬けで全力で楽しみました。

1月1日から5日まで、5日間もあったのに、あっと言う間に終わってしまって少し寂しいですが、明日からの一週間も1日1話ずつウルトラマンを楽しみながらがんばりたいと思います。

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