目次
はじめに
以前の記事で紹介したウルトラマン&怪獣手帳2025には、毎日一日毎に、その日に放送されたウルトラシリーズの物語のあらすじが掲載されています。
と、いうことで、手帳に書いてる通り1日1話ずつ観ていこうというのがこの記事の主旨になります。
前回は正月休みということで、割と時間を確保するのも記事を書くのも苦にならなかったのですが、正月休みも明けて仕事が始まったりしたので、1日1回観ていくのは結構大変でした。
本当に1年365日継続できたら自分でもすごいと思います。
観るだけなら、ながら見でもいけるんですが、記事にも書かないといけないですからね。
でも、記事を書こうと思って映像を観ると、感覚が研ぎ澄まされると言うか、普段考えないような事も考えるので、良い刺激になっています。
前回の記事でも顕著に表れていますが、細かいツッコミが多いですね。
ウルトラマンレオ第39話で、「300万光年も離れたところにあるウルトラの星がすぐに地球まで移動してくるのはおかしい」とか、ウルトラマンタロウ第40話で「太陽系の惑星が直線状に並んでいるのはおかしい」とか純粋に楽しんで観てるだけだったら、そんな事思わないですからね。
インプットとアウトプットは同じくらいしないといけない、と聞いた事がありますが、まさにその通りで、観たら観た分だけブログに書くという形でアウトプットしていかないと、インプットしたものが頭の中に溜まっていくだけでくすぶって消えてしまうんでしょうね。
そういう意味でも、この企画は続けていった方がよいと思った次第です。
今回は1月6日(月)から、1月12日(日)までの1週間です。
ウルトラマン&怪獣手帳2025を持っている人は、手帳を眺めながら一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。
ウルトラマンメビウス第38話「オーシャンの勇魚」
2007年1月6日に放送されたエピソードです。
メビウスの想い出
ウルトラマンメビウスは、放送当時、テレビを点けたときにたまたまやっていた回(明確に覚えているのは第1話、第16話、第28話)だけ観て、特にちゃんと観ていなかったのですが、過去のウルトラマンがゲスト出演するという情報を聞いて、タロウ登場回の第29話から正式に観はじめた・・・はずだったんですが、放送リストを観てみると、観た事の無い回の方が多かったので、実はちゃんと観ていなかった事がわかりました。
今回の第38話も本放送では観ていませんね。
強烈なゲストキャラクター
仮面ライダー555で、ライバルキャラクター仮面ライダーカイザ(草加雅人)を演じた村上幸平氏が、海の護りを担当する部隊GUYSオーシャンの隊長、勇魚(いさな)役で出演しています。
仮面ライダーカイザのイメージが強すぎて役を演じていない時の村上氏の素をよく知らないのですが、555の時同様、メビスでもクセの強いキャラで面白かったです。
宇宙有翼怪獣アリゲラ
今回登場する怪獣は、宇宙有翼怪獣アリゲラ。冒頭からいきなり名前が呼ばれるので、過去に登場した怪獣の再登場かと思いきや、今回が初登場みたいです。なんだか以前から知っているような雰囲気で話がサクサク進むのですが、この物語はアリゲラを倒すためのクルーGUYSのチームプレーが主題なので、怪獣の描写は控えめというか影が薄い印象がありました。
超音速で飛行し、超音波で物事を認識し、空でも海でも自由に活動できる、という欲張りな性能を持ち、おまけにデザインもものすごくかっこいい怪獣なのでインパクトは強いのですが、アリゲラの街破壊シーンがアバンタイトルで消化されている都合、Aパート~Bパートにかけて物語が進んでいくうちに印象が薄れていってしまった感があります。
メビウスとの戦闘シーンも、アバンタイトルでメビウスを一度は撃退して強い怪獣という印象を残すものの、再戦時にはほとんどメビウスの方が優勢な感じで苦戦しなかった印象があるので、攻略法さえ思いつけばアッサリ倒せる怪獣、みたいに見えました。
帰ってきたウルトラマン第39話「冬の怪奇シリーズ 20世紀の雪男」
1972年1月7日に放送されたエピソードです。
すっかりお正月休みも終わり、仕事初めの時期の放送ですが、劇中で次郎くんがお餅を食べる場面があり、「インドではお餅にカレー付けて食べるかな」という季節感のあるセリフを言ったりするなど、新年の放送が印象深い回です。
帰ってきたウルトラマンVS仮面ライダーV3?
240年前から地球に潜伏していたバルダック星人が、母星の宇宙船団の到着に備えて攻撃の準備を整えていたというあらすじなのですが、この回の事を考えるとまず真っ先に思い浮かぶのが、帰ってきたウルトラマン放送終了から約1年後に放送された仮面ライダーV3の第13話です。
帰ってきたウルトラマン第39話が、雪男(正体はバルダック星人)を探しに雪山を探索するカップルの場面からはじまるのに対して、仮面ライダーV3第13話は、イノシシ男(正体はジシャクイノシシ)を探しに山を探索するカップルの場面からはじまる・・・というところで、途中までの展開が細部のセリフやシチュエーションが違うくらいでほぼほぼ同じなんです。
帰ってきたウルトラマンはMATの集団行動、仮面ライダーV3は風見史郎の単独行動というところで必然的に異なる部分はあるものの、遭難の通報がMAT基地に入った時の岸田隊員の対応と、遭難の通報が少年ライダー隊本部に入った時の純子の対応、その他いろいろな部分が酷似しています。
もう少しなんとかならなかったのか・・・と思うところは、ゲスト人物の名前ですね。
帰ってきたウルトラマン第39話で雪男を探していたカップルの名前は、ツムラ ヒデオとカタオカ ヨウコ。
対して仮面ライダーV3第13話でイノシシ男を探していたカップルは、ヨシムラ ヒデオとヨウコ(苗字不明)という名前で、ちょっと違うだけでほぼ同じです。
もっとも、最初から最後まで同じだったかと言うと、そうでもなく、バルダック星人とジシャクイノシシの行動目的が異なることと、そもそもの番組フォーマットが異なるので、途中から独自の展開を見せることになります。この際、最後までパクってくれてた方がネタになって面白かったと思います。
見所は岸田隊員
話が仮面ライダーに脱線してしまいましたが、帰ってきたウルトラマン第39話は結構面白い回なんです。
(双葉社の「帰ってきたウルトラマン大全」では割かしボロクソな評価でしたが)
岸田隊員のキャラが良いですね。岸田隊員と言えば、最初の1クール目ではかなりのエリート気質で、郷のやることなすこと目くじらを立ててくる凄いイヤなヤツだったんですが、第2クールではそう言った言動も落ち着き、第3クールになる頃にはコミカルな言動をするようになる等、結構変化の大きい登場人物でした。
それが割と顕著なのが第39話で、面倒臭がって出動を渋ったり、遭難者の看病をお願いされた時には郷に向かって「おまえが『はい』なんて言うからだぞ」とイヤミを言ったりするなど、妙に軽いキャラになっていました。
でも、だからと言ってキャラクターがブレてしまっていたかと言うとそういうわけでもなく、現実的・科学的な視点で雪男伝説を否定するなど、第1クールの頃のような言動も見せていました。
と、思ったんですが、マットアローからの射撃がバルダック星人に命中すると、ちょっと嬉しそうだったりと子供っぽいところもあったような気もします。
雪男星人バルダック星人
面白いデザインの宇宙人です。ゆるキャラみたいでなんとも憎めない見た目をしています
かっこいいキャラクターではないし、かと言って怖いキャラクターでもないのですが、子供心に胴体に顔があるデザインは魅力的でした。
口から冷凍ガスを吐いて周囲の物を凍らせることができるのですが、ストップモーションを使って氷がジワジワと建物を凍らせていくなど、面白い特撮映像が楽しめます。
戦闘シーンも独特でした。
ウルトラマンがダイビングアタックやドロップキックをする場面はスローモーションで表現されます。スローモーションなので、ウルトラマンの攻撃を食らってバルダック星人の頭がひしゃげるところもじっくり確認できるので、ちょっと面白かったです。
戦闘シーンのラスト、ウルトラマンがウルトラブレスレットを炎に変えてバルダック星人を包み込むと、バルダック星人がフワッと消滅してしまうんですが、雪男なだけに溶けてしまったんですかね。少し惨い倒され方でした。
その後、ウルトラマンは、ウルトラブレスレットを使ってバルダック星人の宇宙船団やバルダック星を景気よく次々に破壊していくのですが、なんだかいつものウルトラマンとは思えないくらい気分爽快にやっつけていくので恐ろしかったです。
ウルトラマン第26話「怪獣殿下 前篇」
1967年1月8日放送のエピソード。
1月1日の第25話に続いて、今年早速2回目の初代ウルトラマンです。
人気怪獣の古代怪獣ゴモラが登場する話で、ウルトラマン唯一の前後編でもあります。
古代怪獣ゴモラ
私が幼稚園児の時に買ってもらったゴモラのソフビは少し可愛い造形をしていたので、あまり強くない怪獣だと勝手に思っていたのですが、いざ登場回を観てみると無茶苦茶強くて惚れました。
能力的にゴモラよりも強い怪獣は他にもいるんですが、前篇でウルトラマンをこれでもかと言う程叩きのめして去っていく姿は、他の追従を許さない魅力があると思います。
パワーバランスの描き方も見事でした。ゴモラは尻尾の一振りが強烈で、これでウルトラマンを痛めつけるのですが、後篇で科特隊に尻尾を焼き切られたことで、ウルトラマンを叩きのめす武器を失い、目に見えるように弱体化するんです。
何かご都合主義ではない合理的な弱体化だったので、ものすごく関心した憶えがあります。
ウルトラマン相手に尻尾の無くなったお尻を振り続ける姿は、少しいたたまれませんが、視聴者気分としては「ゴモラに勝てるぞ!!」とテンションが上がります。
独特な世界観
ウルトラマン第26話は、チョット不思議な世界観設定をしています。
第26話の世界には怪獣は存在しないらしく、今回のゲスト人物オサムも、いつまでも怪獣の事を信じているヘンな奴として同級生にからかわれているという設定です。
オサムの部屋には放送当時発売していた怪獣人形が並び、オサムはウルトラマンのお面を被ってウルトラマンごっこに明け暮れている。ウルトラマン放送当時の現実の雰囲気にとても近いわけですが、何故かそんな世界観に平然と科学特捜隊がいるという、テレビの外側と内側の境界線がかなり曖昧なバランス感です。
ウルトラQ的に言えば、アンバランスゾーンなのでしょうね。
気のせいかもしれませんが、カメラアングルがとても印象的で、空間の広がりと奥行きを活かした映像が多く、いつものウルトラマンと違った雰囲気を感じました。
ウルトラQ第2話「五郎とゴロー」
1966年1月9日に放送したエピソードです。
巨大化した猿が登場する、ということで、第1話の怪獣然としたゴメスに比べるとイマイチインパクトが薄いような気がしたんですが、改めて観てみると、ちゃんと怪獣モノとして申し分無い回でした。
特撮と本編の見事な融合
冒頭、実物の淡島ロープウェイが映る場面があり、しばらくずっと実景の映像が続くのですが、ゴローが出現する瞬間、急に特撮セットになります。このつなぎがものすごい見事で、怪獣が動いているのでスグ特撮に切り替わったことはわかるんですが、それでも映像のインパクトが凄すぎて実景と区別がつきませんでした。
素晴らしいです。
モノクロ映像だから、実景と特撮の質の違いがわかりずらかっただけかなと思い、総天然色版でも観直してみたんですが、山のセットの奥行きがすごいんですね。こんな大きなセット、よく作ったなぁと思うくらい、ゴローが小さく見えるくらいに山のセットが大きいんです。そりゃ実景と間違えるわけです。
この場面以外にも、本編映像で俳優さんが演技している山の中でカメラがスルスル~っとパンすると、さりげなく特撮セットに切り替わって、茂みの中で座り込んでいるゴローの映像に繋がるんですが、これがまたものすごい違和感が無いんです。
とにかくこの回は本編と特撮の境界面が非常に曖昧、どこまでが本物でどこまでが特撮なのかよくわからない。(いや、わかるんですが)
ウルトラQ的な言い方をすると、アンバランスゾーンというわけですね。
本当にすごい。
巨大猿ゴロー
今回登場する怪獣です。
怪獣というか、猿が巨大化しただけなので、これを怪獣に含んでしまってよいのか、非常に認めづらいのですが、後年の作品で、どこからどうみてもセミが大きくなっただけの怪獣(キングゼミラ)もいたりするので、巨大猿を怪獣として認めてあげないのはかわいそうだなぁ、と思ったり。
この巨大猿ゴロー。設定身長は50mあるのですが、ちょっとこれ盛りすぎですね。
クライマックスで街中に現れたときに持ち上げるパトカーのミニチュアが大きすぎるので、多分20mくらいしかないんじゃないかと思います。
そうそう、ゴローといえば、私が幼い頃に放送していた5分番組「ウルトラマンM730 ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑」で紹介されたことがあるんですが、電線を掴んで火花が散ったことにビックリしてすぐ隣にあったビルをたたき壊す映像が、ゴローの攻撃技として解説されていました。
子供心に「凄い恐ろしい奴だ」と思ったものですが、映像をちゃんと観ると、腕を3回振ってるうち、ビルに当たってるのは最後の1回だけで、壊れ具合も壁がちょっともげるくらいであんまり迫力のある破壊シーンではなかったので、他に紹介できる技があるんじゃないかと思いました。
この「ウルトラマンM730 ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑」も、放送された記録が残ってるだけで、今では視聴する方法が無いのがなんとも残念です。
母親にVHSに録画してもらって毎日のように観ていたんですが、そのVHSも上書きして消えてしまったので、残っていたら貴重な映像資料になっていたことでしょう。
ウルトラマンレオ第40話「恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅!円盤は生物だった!」
1975年1月10日に放送されたエピソード。
ウルトラマンレオ最終クールのはじまりの回ですね。
1月3日に観た第39話で、レオとアストラがウルトラ兄弟の一員に任命される大団円を迎えたのに、次に放送されるのがレギュラーメンバーが大勢命を落とす回になるというギャップもすごいです。
レギュラーメンバーの総入れ替え
ウルトラマン&怪獣手帳2025で紹介されているエピソードの中では現時点で一番重い回ですね。
冒頭いきなりMACが全滅したかと思えば、ゲンの仲間たちがアッと言う間に命を奪われAパートが終わり、Bパートがはじまると唐突に居候先で暮らしているというハイスピード展開で、一見するとヤケクソ気味のようにレギュラーキャラクターが死んでしまうのですが、演出は決して雑ではなく、むしろとにかく丁寧でした。
スポーツセンターの仲間たちの死は、亡骸と対面するのではなく、死亡者名簿に書かれていた名前が映像で流れるという形で表現されているのですが、喪失感がすごいですね。
カオルの死は、死亡者名簿に書きだされたカタカナの名前が一文字ずつパカパカと順番に表示されていくという演出で、ものすごく冷たい。亡骸を見せてさえくれない素っ気なさのようなものが、現実の残酷さを見せつけているようで、いたたまれないです。
トオルがカオルの死を知った時に流れるBGM(M52)、登場人物の死を表現するには不釣り合いなほど優しい曲なのですが、カオルの安らかな成仏を願っているとも、トオルを慰めているようにも見え、悲しい場面だから悲しい曲を流そうというような安直さを感じない、非常に巧みな選曲だと感じました。
円盤生物シルバーブルーメ
恐ろしいヤツです。
円盤生物って割と愛嬌のあるデザインが多いと思うんですが、このシルバーブルーメだけは無機質で不気味です。今で言うドローン兵器のようにフワッと忽然と現れて破壊の限りを尽くして去っていくところが、本当に怖いですね。
AパートでMAC基地を破壊した直後にレオが一度戦った時は取り逃がしてしまうのですが、Bパートの学校で再戦するときは割とアッサリ倒せてしまうのが、ご都合主義と言うよりは、レオに倒される事も含めて全部作戦だったかのようで何考えてるかわからないのが余計に怖いです。
円盤生物はブラックスターがレオを倒すために送り込んでくる怪獣たちですが、第1号のシルバーブルーメはまさに、レオを追い詰めるための前段作戦としてレオにとっての身近な人間たちを始末できれば、その時点で任務は果たせていたということなのでしょうか。
ウルトラマンタロウ第41話「母の願い 真冬の桜吹雪!」
1974年1月11日に放送されたエピソード。
先日のレオ第40話の翌日なので、ものすごい良い話でした。
真冬の桜吹雪
演歌の曲名みたいにものすごい渋いサブタイトルですが、その内容は、病気で寝込んでいる母親のためにマサヒロ少年が桜並木の絵を描いてあげる、というほっこりエピソードです。
桜並木の絵を描くと言っても、塀に描かれたらくがきです。
かなりよくできたらくがきで、通行人も立ち止まって眺めてしまったり、それまでらくがきに怒っていた塀の持ち主であるマダムも、桜並木のらくがきには思わず頬をゆるめてしまうなど、人間が本来持っている温かみのよく出た良いい場面もありました。
らくがきというテーマは一貫しており、らくがきの中から怪獣ゴンゴロスが現れた時には、マサヒロ少年は塀にウルトラマンタロウの絵を描いて、タロウの名前を呼び続ける場面があります。マサヒロ少年は普段タロウがどこからやってくるのか知らないので、ゴンゴロスと同じように落書きの中からタロウが出てきてくれるんじゃないかと思ったわけですが、面白い発想だと思いました。
そのマサヒロ少年の気持ちに応えるように、東光太郎は落書きの前でタロウに変身し、落書きの中からタロウが出てきたかのように見せかけたうえで、物語のラストで「マサヒロ君の書いたウルトラマンタロウの絵が怪獣をやっつけた」と母親に伝えるなど、粋な描写が光ります。
怪獣が暴れている緊急事態なのに、マサヒロ君の描いた絵から出てきてあげようという冷静な気遣いが凄いですし、ゴンゴロスを倒した後に、タロウがキングブレスレットから桜の木を作りだしてマサヒロ少年にプレゼントするなど、気遣いに溢れています。
土曜日のお昼に観たのですが、今日一日いいことがありそうな気分になって、前向きな気持になれるエピソードでした。
らくがき怪獣ゴンゴロス
らくがきから生まれた怪獣というと、ウルトラマン第15話に登場した二次元怪獣ガヴァドンが前例としてありますが、内容を良く見てみると出自が少し違いますね。
ガヴァドンは落書きが宇宙線の影響で実体化したものですが、ゴンゴロスの場合は宇宙生命体が壁にシミとなって付着したものが怪獣化したというもので、らくがきが無くても実体化していたような気がするんですよね。最初からシミの形が怪獣みたいなシルエットだったし。
ゴンゴロスは、タロウの怪獣にしてはオーソドックスな怪獣らしいシルエットなのですが、ディテールがグロテスクだったり尻尾が三本あったりするところで、個性が出ていると思います。
私とゴンゴロスの出会いは、幼少期に買ってもらったウルトラマンかるたです。

これです。
ゴンゴロスの象徴的なスチール写真を元に作られているのですが、背景の空が赤くなっているせいで、街が火の海になっているような、恐ろしい写真になっています。

実際のスチール写真はこちらです。
これはネコパブリッシングより発売されている「オール・ザット・ウルトラマンタロウ」に掲載されているものですが、かるたの絵札を見比べていただけるとわかる通り、ものすごい誇張した表現に描き直されていますね。
口から吐く炎も真横に真っすぐ伸びているのに対して、絵札では扇状にブワーッと広がっており、なんだか強そうです。
私は幼少期に映像のゴンゴロスを観たことがなかったので、長らくかるたに載っている火を吐く怪獣という認識しかなかったのですが、後年、朝の帯番組(ウルトラマンM730 ウルトラ怪獣データバンクだったかな)で紹介されたときに、はじめてらくがき怪獣というのを知る事ができました。
平成初期は過去のウルトラシリーズを観ようと思っても、朝の帯番組しか無く、BS放送も契約していなければ観られないですし、レンタルビデオもそこまで充実していない(全話あることは稀で、特集ビデオしか無い場合もある)ので、いくら知名度のあるシリーズと言ってもちゃんと観ようとしたときの視聴難易度は高かったですね。
映像メディアがDVDに移行して、店舗に置ける本数が増えても、そのお店が観たい番組のDVDを陳列してくれないことには観れませんし、かといって映像ソフトを購入すると高額ですからね。
サブスクでいつでもウルトラシリーズが観られるようになった現代のテクノロジーに感謝です。
ウルトラマンコスモス第28話「強さと力」
2002年1月12日に放送されたエピソードです。
怪獣保護を目的としながらも、場合によっては怪獣を攻撃せざるをえないチームEYESの活動をメディアが疑問視しており、チームEYESが、とくにムサシ隊員(=ウルトラマンコスモス)が焦りを抱くというあらすじです。
結構シリアスです。前回観た、第27話は割とコミカルな回だったのでちょっと困惑したのですが、もしかすると今回の方がコスモス本来の雰囲気なのかもしれないですね。
怪獣保護
最近でも、これによく似た話がありましたね。
人里にやってくる熊を殺処分するか否かという話で、人に危害を加える以上、安全確保のためにも殺処分しなければいけないが、それは動物の命を軽視しているという事で批判の声も上がっているというものです。
こういった話の場合、一番しんどいのは矢面に立たされている方なのですが、ムサシ隊員は自分たちがもっと強くなれば怪獣を保護することができるという考えで、強引な行動が目立つようになります。
確かに、人助けをするにしても、助ける側に力が無いと却って迷惑になるだけだったりすることがありますが、本エピソードもそういうことなのかなと思います。
ウルトラマンコスモスの戦い方も、エリガルを大人しくさせるために、コロナモードでの猛攻撃に切り替わり、痛めつけるような動きが強調されていたように思います。(これは、そういう風に見せるための今回限りの演出かもしれませんが)
毒ガス怪獣エリガル
劇中ではチームEYESが過去に対処できなかった怪獣として取り上げられており、過去エピソードで登場した怪獣のように語られていますが、今回が初登場の怪獣です。劇中で言われている”過去に対処できなかった”くだりは、回想シーンでのみ語られます。私はコスモスはまだ全話観ていないので、実際に怪獣を助けることができなかったエピソードもあるかもしれません。
気性は大人しいものの、攻撃を受けると自己防衛の為に毒ガスを噴射する特徴を持つ怪獣ということで、チームEYESとしては保護したいものの、毒ガスのせいで対処が難しい怪獣として扱われています。
過去のウルトラシリーズにも毒ガス怪獣は登場していましたが、凶暴なものが多く、街を破壊していたので、正当防衛として倒す事はやむを得ないのですが、大人しい怪獣となると話が変わってきますね。
と、言うわけで、過去の失敗をもとに、チームEYESはエリガルが毒ガスを噴射できないように噴出孔を粘着弾で塞いで対処することにするのですが、そんなことしたら体内に毒ガスが回ってエリガル自身の身体が危ないような気がします。それくらいでもしないと怪獣保護はできないという事なんでしょうね。
エリガルを救うことができなかった事で、ムサシ隊員は心に深い傷を負うことになるのですが、チームEYESが怪獣保護に失敗した事によってメディア側がどんな行動に出るかも気になるところです。
コスモス第28話は、エクリプスモード登場を飾る3話連続エピソードになっているのですが、ウルトラマン&怪獣手帳2025でチョイスされているエピソードは1月19日の第29話までで、その翌週1月26日にはウルトラマンA第43話がチョイスされているので、エクリプスモードの登場回は観られないということになりますね。(個別に単体で観ればよいだけですが)
さいごに
ウルトラマンレオ第40話が精神的にキツイ週でしたが、バラエティに溢れた面白いエピソードが多かったです。
一つのウルトラマンを放送順に観ていくと、絶対途中で飽きたりして最後まで続かないのですが、手帳に記載された順番に観ていくと、毎回違うウルトラマンに出会え、毎日新鮮な気持ちで楽しむことができます。
ウルトラマンを観るために手帳を開くので、毎日、日記代わりに何かを書き込む習慣も身に着きました。
1年を終えた時に、2025年は良い1年だったと思えるように、日々過ごしていきたいです。
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