目次
はじめに
今年の1月1日からはじめたウルトラ怪獣日和もついに1月が終わろうとしています。
しかし、大変でした。
途中、他のネタも書いてみたくなって、両立するのがしんどくなってサボっていたら、5ヶ月くらいサボってしまって、今、この記事を書いているのは6月4日です。
でも、投稿日は2月2日で設定しておきます。
後で読み返した時に、そっちの方がなんかいいからです。
ウルトラマンメビウス第41話「思い出の先生」
2007年1月27日に放送したエピソードです。
ウルトラマン80がゲスト出演する回ということで非常に話題になりました。
放送が終了した後のウルトラマンって、やはりゾフィーからタロウまでのウルトラ六兄弟が注目されがちで、六兄弟に属していないレオや80はイマイチ扱いが難しいポジションにいました。
レオとアストラに関しては、レオ第39話での活躍が認められた事でウルトラ兄弟入りを任命されたという設定こそあったものの、80年代の再編集映画「ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団」や「ウルトラマン物語」では、過去映像を再編集する都合、ウルトラ六兄弟が揃っている場面(タロウ第25話、第34話)が使われがちで、結果的にそこに映っていないレオや80はどうしても蚊帳の外にならざるを得なかったんですよね。
特に80に関しては同時期の「仮面ライダー(スカイライダー)」が歴代ライダーを客演させている中、歴代ウルトラマンを出さない方針でがんばっていた事もあり(人形が巨大化したとか、イメージ映像だけ流れるみたいなセコイ事はしていましたが)、必然的にウルトラ兄弟との接点が無くなってしまっており、ファンの想いとは裏腹に離れ小島みたいになっていた感は否めないと思います。
そういうこともあって、このメビウス第41話で久しぶりに新作映像の80をテレビで観ることができたというのはものすごく衝撃的であったと言えます。
私は本放送でこの回を観たんですが、80本編を観た事が無かったので、取り残された感があり、正直言うと全然楽しめてなかったです。
それが、メビウス放送終了後にDVDが発売された事で、レンタルショップにも並ぶようになり、80を観ることができるようになったわけですが、それを以てしてやっとこの第41話を楽しむことができました。
贅沢を言えば、80のBGMや挿入歌も使ってくれたらよかったのに、とすら思います。
昨今のウルトラシリーズでは原作BGMが使われる傾向にあるので、ちょっと時代が早かったですね。
ウルトラマン80の扱いは如何に?
さて、ウルトラシリーズというと歴代ウルトラマンの客演に非常に気を遣う作風だという印象があります。
今回ゲスト出演する80に関しても例外では無く、開幕から非常に80感があり、掴みは外していません。
ロベルガー二世を追って地球にやってきた80のファイティングポーズ。
スーツやプロポーションこそ違えど、あの80だと言わざるを得ないアングルでたまりませんでした。
OPが終わって戦闘がはじまると、メビウスの重厚なBGMが流れてきたのでスピーディな80にしては重い印象が芽生えてしまいましたが、80本編でもそんなに使われていないウルトラレイランスを使用していたり、サクシウム光線を発射する時の動作に残像を付けるなど新しい演出を取り入れたりして、往年のファンに対するサービスが込められており、非常に感動しました。
劇中でリュウ隊員が「人形を持ってきてやったぞ」と自慢げにウルトラヒーローシリーズの80を持ってくる場面まであります。これがまた造形をリメイクされる前のちょっとマッシブなヤツなので、当時世代だけでなく90年代にウルトラマンを観ていた世代の方にも懐かしい代物だと思います。
30分の尺に収める都合、桜ヶ丘中学のくだりは多少強引に進めているように感じるところもありましたが、80がどうして中学校の教師をやっていたのか等、後付けではあるものの当時語られなかった想いが80自身の言葉で語られるなど、感慨深い場面もありました。
でも、掛け声がありませんでしたね。空に飛び去るときに「ショワッ!」て言わずに無言で飛び去るので物足りなかったです。
円盤生物ロベルガー二世
本編冒頭で80とメビウスに倒された怪獣です。
ロボットのようにフワフワと空中浮遊したり、倒れてもスーッと起き上がったりと無機質な動きをします。
パワーでも割と80を圧倒しているような印象がありますが、80の事なのでメビウスが助けに来なくてもなんとかして倒していたんじゃないかと思います。
硫酸怪獣ホー
80第3話に登場した怪獣の再登場です。
80では人間のネガティブな感情がマイナスエネルギーとなって怪獣が引き寄せられたり、生まれたりするという設定でしたが、このマイナスエネルギー関連の話って、メビウス本編で80が取り上げられるまで認知度の低い設定だったかと思います。
マイナスエネルギーという概念自体が劇中でも仄めかされる程度で、明確に断言されているわけでは無いので仕方のないことではあるんですが。
それはともかくとして、ホーは非常に適切な再登場だったと思います。
何故なら、ホーは劇中で明確に80の生徒のマイナスエネルギーから生まれと明言されている怪獣だからです。
80特有の怪獣が出現するときの「グポグポグポグポグポォン」という間抜けで気味の悪いSEも使われており、80感が再現されていました。
80当時の着ぐるみよりも黒目がわかりやすくて、ちょっとひょうきんなところが良いです。
最後は80でも特徴的な必殺技バックルビームによって消滅しました。
思えば、80が劇中ではじめてバックルビームを使ったのも、このホーが相手でしたね。
ウルトラセブン第17話「地底GO!GO!GO!」
1968年1月28日に放送したエピソードです。
ウルトラセブンが地球上でモロボシ・ダンの姿に変身する際にモデルにした人物”薩摩次郎”が登場するという、ある種の前日譚的要素も含んでいる回なのですが、物語の内容としてはSF地底探検モノであり、テーマ性は薄いので、名作として語られるウルトラセブンとしては地味な部類のエピソードであると言えます。
正直言うと、私も今回、手帳で指定されている回として観直すまでは、先入観で地味な回みたいな印象を持っていました。
マグマライザー
今回は、謎の怪地震による落盤で炭鉱の中に閉じ込められてしまった青年”薩摩次郎”を救出するために、ウルトラ警備隊の地底戦車マグマライザーが初登場します。
この時期のSFにありがちなドリルの付いた地底戦車ですが、前作ウルトラマンのペルシダーに比べると、デザインがより機能的になった気がします。
十中八九、少し前に放送していたイギリス製特撮番組サンダーバードに登場するジェットモグラの影響を間違いなく受けているだろうと言う事は感じます。
ウルトラホーク3号で運搬されて、コンテナから出てくるところなんかはサンダーバード2号の真似ですね。
地底ロボット ユートム
薩摩次郎救出の途中でウルトラ警備隊が発見した地底都市を守っていたロボットです。
一応、扱い上はその回でウルトラ戦士と戦う敵キャラクターというポジションではあるんですが、ただの警備ロボットなので、ウルトラマンの怪獣としてはキャラが弱いんですよね。
無茶苦茶強いというわけでもなく、セブンに一撃で倒されるのでキャラも弱ければ戦闘力も低い。
でも、そのキャラの弱さがヘンな意味で印象に残るせいで、なんだか無下にできない不思議なロボットです。
どこに需要があったのかわかりませんが、60年代でも90年代でもソフビ人形が発売されており、私も持っていました。
右手が銃で左手が鉄球なので、ちょっとお得感があったんですよね。
ウルトラマン第29話「地底への挑戦」
1967年1月29日に放送されたエピソードです。
ウルトラマンで始めてドリル戦車が出てきて地底に潜る回です。
偶然にも、丁度この一年後にウルトラセブンでもドリル戦車が登場する回が放送されるわけですが、当時の特撮界には季節的に1月末くらいに地底に潜らないといけない縛りでもあったんですかね。
地底戦車ベルシダー
ウルトラシリーズ初の地底戦車です。
登場はこの第29話限りですが、かなり印象に残る大活躍をしています。
セブン第17話もそうなんですが、地底戦車の描写ってすごい細かいですね。
セブンのマグマライザーは発進前の計器チェックや、搭載されている爆弾を活かして困難に対処する場面があったり、ウルトラマンのペルシダーでは故障に対処するやりとりが非常に細かいです。
地底という極限状態の閉鎖空間で起こるトラブルにどう対処するか、というのは地底SFモノでは定番の要素なんでしょうか。
黄金怪獣ゴルドン
この第29話、いきなり怪獣が登場します。
本編開始直後から不穏なBGMが流れ始めて、ゴルドンが山肌を崩しながら地上に姿を現します。
地上よりも地底の方が移動スピードが速いという面白い特性を持っており、避難者が逃げようとした場所に次々に現れて大混乱したという話です。セリフで軽く流されていますが、結構恐ろしい怪獣ですね。
ゴルドンは金を食べるだけの怪獣なので、なんで人が逃げた先に現れるのかよくわかりませんが、それは怪獣モノとしてわかりやすくするために人を襲う要素を付けただけなのか、それとも金以外にも生き物を捕食する性質も持っているのか。
考えたことないですけど、ヘンなところを好意的に解釈していろいろ考えていくのも楽しいですね。
劇中ではゴルドンは2匹いたことになっています。
着ぐるみは1体分しか無いので、画面の中に同時に2匹映るわけじゃなくて、2匹いるように見せているだけですが、なんかこれもセブン第17話のユートムに似てますね。
もしかして、逃げた先々に次々にゴルドンが現れたというのも、たまたま逃げた先に別のゴルドンが出てきたというだけだったのかもしれません。
ゴルドンはウルトラマンの怪獣の中では地味な方ですが、絶妙なパワーバランスの怪獣だと言えます。
物凄い強いわけではないですし、火を吐いたり光線を出したりという特殊能力も無いんですが、前述のように地底の移動スピードの速さと、皮膚の厚さなど攻撃以外の部分のステータスが高いので、防衛隊も科特隊もかなり苦戦していた印象があります。
そのくせ、目くらましを食らったあとに心臓部を攻撃されるとあっけなく倒せるというところで、弱点を突かない限りは何をやっても倒せない強豪怪獣の一匹だと私は考えています。
ウルトラQ第5話「ペギラが来た!」
1966年1月30日に放送されたエピソードです。
南極を舞台に、冷凍怪獣ペギラに戦いを挑む観測所員達を描いた物語です。
南極みたいな景色なんて無いので、屋外撮影は無く、全編セットで撮影されています。
この手の極寒の話って閉鎖空間的な息苦しい印象になりそうなハズなんですが、結構大らかです。
30分番組なので、人間関係がギスギスしたりすることもなく必要最小限の言い争いでテンポよく進んでいきます。
冷凍怪獣ペギラ
生態系がよくわからないので、怪獣というよりはオバケのような印象でした。
吹雪の中からヌッと現れて冷凍光線を吐き出すのですが、その冷凍光線には反重力現象を起こす効力もあるという、70年代以降の怪獣なら割と平常運転な能力ですが、ウルトラQ放送当時では割と超常的な能力だと思います。
大体の書籍では”ペンギンが巨大化した”と書かれている事が多いのですが、「ペギミンのコケをアザラシに食べさせたら苦しんで死んだ」みたいなセリフから考えて、アザラシ(鰭脚類)の怪獣じゃないかと思います。口からキバが生えてるのもセイウチに近いです。
それはそれとしてペギミンの効果を調べるためにコケを食べさせられたアザラシたちが不憫でたまりません。
ウルトラマンダイナ第21話「発熱怪獣3000度」
1998年1月31日に放送されたエピソードです。
高熱の怪獣がスーパーGUTS基地近くの地底に居座ってしまったため、基地内が真夏のような暑さになってしまうというあらすじです。
高熱で地下格納庫が閉鎖されていたりエレベーターが使えないという、かなりの非常事態ですが、コメディタッチのノリで仕上がっているので、どちらかというと面白い回ですが、ラストはほっこりする良い感じのエピソードです。
超高熱怪獣ソドム
ニューギニアで、火山の噴火を鎮める神様として伝説が残っている怪獣です。
ニューギニアの伝説ですが、日本も火山国なので生息していたという感じなんでしょうか。
劇中では、本来なら地表には上がってこないというセリフがあるので、人目に触れない地下深くに沢山いるのかもしれません。
火山の噴火を鎮める伝説も、ソドムが地底の変成岩を食べることで出来た空洞にマグマが流れ込んで圧力が逃げることで噴火しなくなるというメカニズムになっており、科学で裏付けできる設定になっているのが面白いです。
超高熱怪獣という肩書が付いていますが、風邪をひいて熱を出していただけなので、本来の体温はそうでもないのかもしれません。
怪獣図鑑だけ読むと、熱い怪獣だと勘違いしてしまいそうです。
ウルトラマンティガ第22話「霧が来る」
1997年2月1日に放送されたエピソードです。
山中に落下した隕石に潜んでいた生物が、山村の人々に寄生してGUTS隊員を襲う、という若干ホラー寄りの回です。
ダイゴとホリイが、墜落したガッツウイング2号の中に搭載されていたバイク「オートスタッガー」で山道を走破したり、戦闘シーンでドリル戦車「ピーパー」が救援に駆けつけたりなど、メカ描写も抜かりないです。
過去のウルトラシリーズだと、ドリル戦車なんて1回でも出ればマシな方だったのに、ティガのピーパーは結構出番が多いですね。
その辺の戦隊メカよりも活躍しているかもしれません。(戦隊メカは出てきてもすぐに合体しちゃうので。)
寄生怪獣マグニア
抉れた球体が沢山くっついたようなグロテスクな怪獣です。
人によっては嫌かもしれませんが、私は結構好きなデザインです。
男児って案外グロテスクな物が好きですからね。
お祭りの屋台とかで売られているタランチュラのゴム人形とか、欲しかった思い出があります。
このマグニア。
今見ると、大阪・関西万博のミャクミャクの前進にあたるいのちのかがやきに似ていますね。
見た目が似てるわけじゃなくて雰囲気が、ですけど。
当時はソフビ人形も発売されていました。
球体が全部塗装されているわけではないので、劇中のような雰囲気は再現できていないですが、造形は割とよかったと思います。
全身リアルに塗装できていたら、気持ち悪すぎてお母さんに買ってもらえないかもしれないですからね。
ウルトラマンティガの怪獣は割と沢山商品化された方だと思いますが、たまにラインナップが微妙なヤツがいて、マグニアもその1体です。
次の回に出てくるウェポナイザーや、もうちょっと後に登場するガギとかの方が正統派な怪獣っぽくて良いような気がするんですが、正統派怪獣だと他の怪獣人形と雰囲気が被っちゃうから、敢えて気持ち悪いヤツをチョイスしたのかもしれませんね。
ウルトラマンの怪獣人形は、現行放送分だけでなく過去のシリーズの怪獣も販売しているわけですし。
ウルトラマンコスモス第31話「ゴンを救え」
2002年2月2日に放送されたエピソードです。
ムサシ隊員が大切にしているロボットのクレバーゴンにカオスヘッダーが取り付いて暴れ出す、という内容です。
コスモスは全話通して観た事がないのでわからないんですが、この第31話は1話完結の単発エピソードではなく、第28話から続くエクリプス登場編の第4話みたいですね。
この回には、ケガをしたムサシを治療する役割で、カワヤという医師が登場します。
演じているのは、同じくウルトラシリーズの「ウルトラマンティガ」でシンジョウ隊員を演じていた影丸茂樹さんです。個人的には「特捜エクシードラフト」のドラフトレッダー=叶隼人が印象深いです。
影丸さんの演ずるキャラクターは、基本的にクールな熱血漢という感じで正統派なカッコイイ役柄が多い印象ですが、コスモスに登場するカワヤはおっちょこちょいないい感じのオジサンという感じで新鮮でした。
カワヤは、友人に手術を頼まれた際、怖くなって他の医師に手術をお願いして逃げてしまったという過去があることをムサシに打ち上げるのですが、ヘンに回想シーンとかを入れて印象的に描かずに、セリフだけでサラッと流すところがよかったです。
人間誰しも人生の中でやってはいけない失敗があって、そういうのを背負って自然体で生きている感じに、すごい共感できたと言うか。視聴者もムサシと同じ目線でカワヤの言葉を受け止めることができて、不思議と印象に残る場面でした。
カオスクレバーゴン
クレバーゴンにカオスヘッダーが取り付いて巨大化したものです。
クレバーゴンはウルトラセブン第38話に登場するクレージーゴンのリメイク怪獣なんですが、車を胴体のシャッター内に放り込んだり、病院の周辺に登場したりと、ウルトラセブンの該当回を意識したであろう映像が見られ、ちょっぴり嬉しいです。
大暴れするタイプのキャラクターではなく、車を取り込んでエネルギーを吸収した後は、破壊する目的の施設に向かってノシノシ歩いてくだけの活躍でした。
コスモスとの戦闘シーンも激しいアクションも無いのですが、クレバーゴンの身体からカオスヘッダーを取り除くために葛藤するムサシの心情にフォーカスすることで、退屈にならない構成になっていてよかったと思います。
さいごに
ウルトラマン&怪獣手帳2025を眺めながら、手帳の中で紹介されているエピソードを観て感想を書いてきました。いつもすごい気合を入れて書いているのですが、流石に息切れしてきたので、1月30日の分からボリュームを落として書いています。
別の記事でウルトラマンパワードのBlu-ray BOXについて書いたときに、せっかくなので全13話分の回想も書いたのですが、あまり熱心にやると収拾がつかなくなると思って、敢えて薄い感想にしたのが案外気楽だったので、ウルトラ怪獣日和もこれくらいのテンションでやれば良いことがわかりました。
何事も、長く続けられる方法で継続するのが一番ですね。
この記事を書いている時点で4ヶ月分も遅れているんですが、どこかで挽回できたらよいですね。