第1話「銀色の巨人」はエンタメ全振り?
邪悪生命体ゴーデス 双脳地獣ブローズ 登場
第1話から2匹の怪獣が登場するなんて大盤振る舞いです。
ゴーデスはDISC1のレーベルに載っている怪獣です。
頭が脳みそみたいになっていたり、触手が沢山生えていたりと、とてもグロテスクですが、ウルトラマンの怪獣としても当時は新しいセンスの怪獣でした。
邪悪生命体なんて大層な名前がついていますが、後々のウルトラシリーズで更に邪悪な生命体が登場するようになるので、細胞を植え付けて暴れさせる程度の邪悪さしか持ち合わせていないゴーデスは、Blu-ray BOXが発売した現在では名前負け怪獣に成り下がってしまったのではないでしょうか。
もう1体の怪獣、ブローズも面白い怪獣です。
頭が二つあるというのが、子供心にお得な感じがして、ウルトラ怪獣シリーズの人形を持っていましたよ。
オタマジャクシがゴーデス細胞で変化した怪獣ということで、出自だけみると弱そうなんですが、念力で戦闘機を捕まえたり、胴体の孔から毒ガスを噴射したりなど、多彩な能力を持っており、割と強い分、それに立ち向かうことができるウルトラマングレートの強さも引き立ちます。
劇中では、パペットと着ぐるみの2種類が効果的に使用されました。
スピーディーな展開
物語の密度も濃くて、冒頭は火星、中盤は地球、後半は怪獣戦と次から次にスピーディに展開していくので、30分番組とは思えないくらい満足度が高いです。
(ダイナとかガイアだったら、ウルトラマンが出てきたところで第2話に続くことでしょう・・・)
その分、UMAの隊員たちの出番は割を食らって最小限になっているんですが、短い登場時間の中で、真面目なところとふざけるところをサラッと描くことで、どういう性格なのかがわかりやすくなっています。
ウルトラマンをはじめて見たときに、敵だと思って攻撃する場面も新鮮でした。
独特の戦闘シーン
戦闘シーンも独特で良いです。1つの話の中でウルトラマンが2回も戦うのもいいですね。ウルトラマンが沢山見たいお子さんは嬉しいと思います。
ウルトラマンの戦闘シーンって割と激しく取っ組み合ったり、アクロバティックに宙返りしたりすることが多いんですが、グレートは敵の攻撃を避ける時も上半身の動きだけでスッと避けたり、攻撃するときも強いパンチをドスン!と放つなど、これまでのウルトラ戦士では見られなかった重くてしなやかな動きが特徴的です。
また、建物の破壊もメリハリが効いています。
ウルトラマンやブローズがちょっと当たるくらいではびくともしませんが、凄い勢いで吹き飛ばされたときだけ建物が壊れる、という面白い演出をしています。
第1話では、建物をウルトラマンや怪獣よりも大きく作ることで、却ってウルトラマンや怪獣の巨大さが増すという新しい雰囲気を生み出していました。
他のウルトラマンだとダイナミックにアクションする都合、その動きを邪魔しないようにミニチュアはスッキリした配置になるんですが、グレートの場合は激しく動かない都合、ビルが密集したところで怪獣と戦うという絵面になっており、とても新鮮です。
まとめ
堅実な造りなので、話題に上がるような名作っぽさは無いですが、エンタメに全振りした痛快な一本であることは間違いないエピソードです。読後感もなんというか、「面白い物を観た」というよりも「あぁ、良い物を観たなぁ」としみじみ浸れる感じで、これまでのウルトラシリーズ(Q~80)には無い良さがありました。

