第11話「第47格納庫」
円盤生物UF-0 登場
ウルトラマンレオに登場する円盤生物とは違うカテゴリーです。
作ってる途中でなんかヤバイと思ったのか、本編テロップでは円盤生命体になってました。
ブラックスターに訴えられないといいですね。
ゲルカドン同様に着ぐるみが存在しないパペットだけの怪獣なので、グレートと直接取っ組みあう場面がありません。そのせいもあって、書籍では写真があまり使われない印象があり、一際マイナーな怪獣だと思います。
エビとカニとカブトガニを合わせたような可もなく不可も無くなデザインをしています。
中に乗り込んだ人間を吸収してしまうというエグい生態をしていますが、目がキョロキョロ動いて可愛いんですよ。
ストーリー
物語はというと、ノルバーグという過激な自然主義者が人類を支配し新たな時代を作ろうとする、というウルトラシリーズらしく(?)思想の強い回です。オーストラリアでもこういう話作っても大丈夫なんですね。
「人類の未来なんて言葉使わないで!あなたがた少数派の未来に過ぎないわ!!」という、結構直接的な表現を用いたセリフもあって、結構攻めた内容だなぁと思いました。(原語版では「それは侵略者の考え方よ」というかなりマイルドなセリフでした)
このノルバーグにUMA隊員のジーンが捕まってしまい、彼女を救出するためにジャックが自然主義者の団体に潜入します。反撃のチャンスがつかめるギリギリのタイミングまで部下として行動しているんですが、構成員の皆さんと一緒に「我らが正義!」と掛け声を出しながら行進していく姿はシュールです。
ウルトラマンG本編において、ジャックって終始一貫してミステリアスな青年という描かれ方をしているんですが、この雰囲気がどんなヘンな事してても全然ブレないのが面白いところです。
今回、UMAは珍しく人間と銃撃戦を行います。
初代ウルトラマンの時にも、怪獣を使役する悪の組織みたいなのが登場するアイデア(怪獣用心棒)があったんですが、ウルトラマンと人間を直接戦わせたくない(=旧態依然としたヒーローのようである)という理由で没になった経緯があります。宇宙人に操られているという要素を抜きにすると、人間同士が戦う回が作られるようになるとは、時代が変わったということですね。(今から35年前の話なんですがね)
戦闘シーン
戦闘シーンは面白いことは面白いんですが、UF-0とウルトラマンが光線の撃ちあいをして直接格闘しないので、初見だと「うーん」と言いたくなる雰囲気。決してつまらないわけではないです。
ウルトラマン登場直後の、UF-0を見上げる映像なんかは、UF-0の大きさが際立ちますし、割と強いです。
ウルトラマンを拘束するリング状の光線を出して動きを封じるんですが、ウルトラマンがちょっともがく度に「シェア!!」とか「ダァ!!」とか声を上げてうるさいので、なんか面白いです。(原語版では無言)
しかも、あれだけ苦戦しておいて、なんかいいタイミングで急に本気をだしたら、拘束リングもあっけなく解除できて、さっきまでの苦戦はなんだったんだ、と思いました。
最後は、ウルトラマンの強さにビックリしたUF-0が宇宙に去って行ってENDです。
倒されてないです。
今日もどこかで宇宙の彼方を彷徨っているのかもしれませんね。
まとめ
次の12、13話が最終回の前後編なので、そう考えると最終回1個前の通常回という扱いになります。
ウルトラシリーズの最終回1個前の通常回って妙に印象に残る傾向にあります。
初代ウルトラマンの最終回1個前は、なんか急にお金かかってそうな宇宙探検モノをやり、ウルトラセブンの最終回1個前は団地を占拠する宇宙人が現れたり、帰ってきたウルトラマンの最終回1個前は、なんか急に刑事モノっぽい回だったり・・・なんか最終回の1個前だからっていう妙な期待がヘンに印象を強めてしまうというか。
今回の第11話も、そういう風に感じるんですが、自然主義者の人間が実力行使に乗り出す、という展開は、ある意味でグレート全体のテーマに沿っている感じがして、UF-0の特異なデザインとは裏腹に正統派な回であったと言えます。
バランガスを食い止めたUMA基地の砲台がボコボコにされたり、自動操縦で発進したハマーがまるで役に立たなかったり、アーサー隊長が戦意喪失して卓球ゲームで遊び出すなど、妙にお茶目なところも見所の迷エピソードでした。

