第13話「永遠なる勇者-伝説2大怪獣登場-」
伝説宇宙怪獣シラリー 登場
前回に引き続き、伝説深海怪獣コダラーが登場し、更に宇宙からは伝説宇宙怪獣シラリーがやってきます。
このシラリーという怪獣、核ミサイルを沢山喰らっても、その爆発エネルギーを全て吸収してしまう恐ろしい能力を持っているんですが、映像でわかる範囲だと、街を焼いてるだけでいつもの怪獣と変わらないので、トータルではコダラーの方が強いんじゃないかと思ってしまいます。
古代人の残したプレートが無ければコダラーは倒せない反面、シラリーはグレートでも倒すことができましたからね。
シラリーのデザイン
でも、デザインはものすごいかっこいいんですよ。
東洋風のドラゴンとも西洋風のドラゴンとも言えない、RPGに出てくるようなシャープなデザインのドラゴンのような、独特のカッコ良さがあります。
幼少期、ウルトラマンや怪獣のミニフィギュアが入っている食玩を買うと、大体シラリーが出てきて、よくダブっていたのを覚えています。ミニフィギュアだと何故かしゃがみこんでいるポーズなので、劇中みたいな迫力は無いんですが、造形はとてもよかった記憶があります。
ストーリー
物語的には前回の続きです。
地球が滅びようとしている最中ですが、オーストラリアの美しい景色と、人々の温かさで、束の間の静けさを感じながら、最終決戦への準備が進められていきます。
海岸にはコダラーが潜伏し、船舶を沈めているので、迂闊に近づくことは危険、上空からはシラリーが飛来し、街を焼き払う、という絶望的な状況なんですが、どう見ても被害の規模がオーストラリアに限定されている感じがして、世界各国の主要都市が攻撃されたウルトラセブンの最終回や、地球全土が闇に覆われたウルトラマンティガの最終回に比べると、イマイチそこまでの緊迫感が出ていないのがチョット惜しいような気がします。
物語の展開スピード的にそこまで細かく描けなかったのか、当時の技術的に表現できなかったのかはわかりませんが、画面の中の出来事に対して視聴者の気分がそこまでついていけてなかった感があります。
昨今の派手なスペクタクル映像に慣れ過ぎて感覚がマヒしているのかもしれませんが、もしかすると世界の終わりというのは、想像しているよりも地味に、ジワジワと終息に向かっていくものなのかもしれません。
何故なら、ウルトラマンGにおける滅亡というのは、人類がいなくなって、地球が元の姿に戻ろうとしているだけなのですから、自然が破壊されたりする必要は無いわけです。ウルトラマンG最終回は、ある種の滅びの美学に包まれていると言えます。
アイクの存在
今回、特に気になるのは、アイクの存在です。
第2話から登場し、UMAと組織的に対立するアーミーの一員として、要所要所で茶々を入れてくるキャラクターで、ブリューワー将軍の腰巾着みたいな振る舞いをしながらも、保身のためにちゃっかりUMAに手を貸してくれたりと日和見主義な言動が目立つのですが、第12話でブリューワー将軍の怒りを買って倉庫街の警備員に降格されてから、彼の生き方が変わりました。
倉庫街に住み着いた自然派の人々と出会ってから、おそらく警備員の仕事も辞めちゃったんでしょうか、倉庫から食料を奪ったりして生活し、UMAの活動を邪魔したりもしたんですが、海で漂流しているジャックを助けたり、コダラーを倒すための古代人のプレートをUMAに持ってきてくれたりと、なんだかんだで役に立つ不思議なキャラクターでした。
アーミー時代から行動は全く一貫していないんですが、理念が脚本都合でブレているというわけでもなく、その場その場で良いと思った最適解を出し続けるという、とても人間臭いヤツだったんだな、という印象です。
当初は第2話で殉職する予定だったらしいので、製作段階でかなりの大出世を果たしたキャラクターだと言えます。
ウルトラマンG対2大怪獣
そして最終決戦です。
昼間から日が暮れるまでの激闘の末、古代人のプレートを手に入れたUMAが防衛線を強いて二大怪獣を迎え撃ちます。
ジャックもグレートに変身して最後の戦いに挑みます。
前回は押されていたコダラーに対しても、パンチの猛攻撃を浴びせ続けるなど、戦い方に変化がありますが、背後からシラリーに電撃光線を浴びせられてマヒしてしまうなど、劣勢。
しかし、古代人のプレートの力でコダラーは消滅。
残ったシラリーも、最後の力を振り絞ったグレートのダブルグレートスライサーの一撃で倒れました。
なんかすごいアッサリした戦闘で、グレートもそこまで苦戦していないような気もするし、最後の方も余韻も無くスッと終わるので消化不良な感じもするんですが、
前後編の全体で観ると物語展開がハイスピードで情報密度も濃かったので、満足感はあったかと思います。
まとめ
ちょっと期待値が上がりすぎたせいで辛口になってしまいましたが、昭和シリーズに見られた、宇宙人の大規模攻撃(初代、セブン、帰マン、A)や、ウルトラマンとの決別(タロウ、レオ、80)と言った最終回から、人類全体の未来を提示するティガ以降の平成シリーズ最終回のプロトタイプと言える最終回だったんじゃないかと言えます。
Blu-ray BOXを購入したのが2017年なので、8年振りにグレートを観直しましたが、間違いなくこの記事を書く為に観直した今回が一番楽しめたと思います。

