第2話「凍てついた龍」
古代怪獣ギガザウルス登場
南極の氷に封じ込められていた恐竜、ギガザウルスが登場します。
このギガザウルス。恐竜が蘇ったという設定で、怪獣というよりは恐竜そのまんまなデザインなんですけど、ヘルメットのような頭部や、首から生えている筒状の器官が怪獣っぽさを醸し出している名デザインだと思います。
「ギガ」と「ザウルス」という、一般的に認知されている単語で構成された名前なんですが、幼稚園児の頃はギガなんて単語知らないので、なかなか名前を覚えることができませんでした。
ストーリー
物語の方も面白いです。
第2話は、主人公ジャック・シンドーがUMAに入隊するまでの出来事を描きます。
第1話で出番の少なかったUMAの面々を第2話冒頭に長時間登場させることで、キャラクター像をもう少し掘り下げ、その後、ジャックをミステリアスに登場させることで、さり気なくキャラクターを一つの場所に合流させ、UMA基地の中に舞台を移して会話させるという見事な構成をしています。
こと、ウルトラマンGにおいては、ジャック・シンドーをミステリアスなキャラクターとして描くことで、テンポが悪くて難しくなりそうな説明を上手に省略できていると思います。よいです。
そんなミステリアスなジャックですが、内心では”人類の平和を守るためにはどうすればよいか”という葛藤を抱えており、”ゴーデス細胞を消滅させる事”を目的としているグレートとは意見が分かれているという場面を短く挿入することで、視聴者目線では不気味なキャラクターに見えないようにバランスが取れています。
その他、さり気ないところで気の利いたセリフ回しがされており好印象です。
ギガザウルスを攻撃しようとするチャールズをロイドが制止し「最初はキム達だ、彼女の方が腕は確かだ」と一言言わせることで、UMAメンバーの誰が何を得意としているのかがわかりますし、まだUMAに入隊していないジャックがハマーを操縦できることに対して「僕はアストロノーツですよ」と言わせることで、都合の良い展開ではない事がわかる造りになっていて、実によく出来ています。
特撮表現について
特撮も良いです。
ギガザウルスが襲うコンビナートのミニチュアがよくできているのは勿論の事ですが、動物的なしなやかな動きができるパペットと、巨大感の出せる着ぐるみの2種類を使い分けることで、怪獣として表現できる幅が広いキャラクターとして成立していると思います。
戦闘シーンもよかったです。
ウルトラマングレート(=ジャック)はギガザウルスを倒したくないので、バリアを張ったり、攻撃を受け止めるだけで積極的に攻撃をしようとはしません。
それによって自分が追い込まれてもなお、ギガザウルスを制止することに注力しますが、成す術が無くなったため、止むを得ずギガザウルスを倒すという流れになっています。
それもただやっつけるのではありません。
ギガザウルス自身が発する冷凍ガスを、そのまま跳ね返して凍らせることで、優しく眠りにつかせるのです。
ここで使われた技がマグナムシュートと言って、敵の技を掌に受け止めて跳ね返す仕組みなのですが、映像表現がイマイチで何でギガザウルスが凍り出したのかよくわかりません。
まとめ
すごい良くできている気がするんですが、堅実すぎる造りと画面に派手さが無いせいで、エピソードが醸し出すトーンは何故だか地味に見えてしまう不思議な回です。確実に面白いんですが、何故か「すごく面白い!!」と太鼓判を押すことができません。
でも、観てる自分は面白いと思ったんだから、それでいいじゃないかと思える、そんな回だったと思います。

