第4話「デガンジャの風」
風魔神デガンジャ 登場
オーストラリアに古くから伝わる風の神がゴーデス細胞の影響で実体化した怪獣です。
私は、幼少期にウルトラマンGのビデオシリーズを観た事が無かったのですが、特番かなにかで地上波放送していた劇場版の「怪獣撃滅作戦」は観た事があったので、このデガンジャの回は観ることができました。
胴体のすぐ上が肉食動物の顔になっているのが特徴的な怪獣です。
可愛らしくデフォルメされたゆるキャラのディテールをそのまま現実的な動物の姿にしたらこうなるんじゃないかという感じがします。
手を前ならえみたいにすると、指先から雷電光というビームが出てくるのですが、あれが妙に痛そうでした。
ストーリー
物語も面白かったです。
この回は不思議と好きなんですが、何回観ても面白いです。
幼少期に観た時、高校生くらいのときに「怪獣撃滅作戦」を録画したVHSを引っ張り出して観た時、Blu-ray BOXを購入して観た時、人生を振り返っても何回か観ていますが、今回Blu-ray BOXのレビューを書く為に観た今が一番面白く感じました。
第4話は、科学VS非科学、理想VS現実、近代VS伝承・・・対照的な様々な要素を包括した名編だと言えます。
第2話で軍隊(アーミー)に邪見にされていたUMAに対する世間の風当たりも、資金集めのパーティや村人の態度などでさり気なく描写されていたし、兵器の力でデガンジャをおびき出そうとするロイドに対して、言い伝えに則った儀式でデガンジャを呼び寄せるムジャリなど、全ての要素がキレイに折り重なっています。
今回の主役はロイドなのですが、ジャックの事を快く思っておらず、少しいけすかない態度を取る割にはジャックとすぐ打ち解けてしまったり、任務に真面目に取り組む割には、非科学的なものは認めない、攻撃は割と過激にやろうとするなど、いい意味での気さくな感じや二面性が感じられてよかったです。
風の神の思念にゴーデス細胞が取り付いて怪獣化するというあらすじは、オーストラリアという国らしい内容であると同時に、ゴーデス細胞が思念体も依代にできるという能力の幅広さの描写にもつながっており、とても良いです。
戦闘シーン
戦闘シーンもよいですね。
デガンジャが姿を現すとき、周囲の岩が持ち上がってバトルフィールドが出来上がるんですが、これが実にケレン味たっぷりでよくわかんなくて良いです。
本気出したら割と大体の怪獣は瞬殺できるグレートも、デガンジャには若干パワー負けしているようで、押され気味でした。そんなに長くないし、割とアッサリ気味な戦闘なんですが、何故だか妙に見応えがあります。
デガンジャの指先ビームが直撃してグレートがビリビリビリビリ!!ってなったところでBGMが切り替わって、跪きながらもマグナムシュートでデガンジャを葬り去る一連の映像は、絵面は地味なのに凄い気持ちいいです。
もう本当に物凄いカッコイイです。
ラストは、ギクシャクしていたロイドとムジャリがいい感じに和解してキレイに終わるので良いです。
男のドラマをむさくるしくせずに清々しく描き切った最高の回だったと思います。

