第6話「悪夢との決着」
邪悪生命体ゴーデス(第2形態)登場
あの邪悪生命体ゴーデスがパワーアップして再登場します。
グロテスクな第1形態に比べると第2形態はとてもスッキリしたデザインをしていますね。触手の一本一本が太くて、身体のボリュームも大きくて強そうだし、顔も人間の雰囲気に近づいたので、知性を感じます。
ストーリー
物語は、前回の続きですが、いきなりアーミーのブリューワー将軍に占拠されてしまいます。
ブリューワー将軍は、ウルトラシリーズ定番の”融通の利かない偉い人”みたいなポジションです。
UMAのメンバーはブリューワーの命令に従いたくありませんが、あからさまに無視することもできないので、命令を聞くフリをしながら、あの手この手で誤魔化しながら応対します。
チャールズのやりとりは面白かったですね。
ジャックとジーンを攻撃するように命令されても、わざと攻撃を外して「当たりませんねぇ」ととぼけて、自動照準装置を使うように命令されたら「そんなのありましたっけ?」と更にとぼけて、ジャックとジーンの居場所を聞かれたら「自動照準装置が見つかりました」と答えたり、とにかくふざけます。
ギャグと言えばギャグなんですが、UMAとしてはブリューワーの命令に従うわけにはいかないので、かなり真剣なギャグです。こんなに面白いけど笑えない切迫したギャグが他にあるでしょうか?
戦闘シーン
ウルトラマングレートとゴーデス第2形態の戦闘シーンも良かったです。
ゴーデスがグレートを体内に取り込んで、精神攻撃を仕掛けるという内容なのですが、ゴーデスの体内では、これまでグレートが戦ってきた怪獣たちの幻が襲い掛かってくるというものになっており、ウルトラマングレートも思わず大苦戦です。
これまで一歩引いた目線での解説を続けていたナレーターの藤岡 弘さんも、思わず「戦っても君が傷つくだけだ・・・気づいてくれ・・・」と切実なメッセージを投げかけています。
苦戦するグレートとは別に、ジャック・シンドーがゴーデスに精神的な揺さぶりをかけることで、動揺した隙を突いて勝利をおさめます。
全てを吸収して一つになろうとするゴーデスに対し、グレートとジャックの精神がそれぞれ存在しているからこそ掴むことができた勝利ですが、幻の怪獣に苦戦するグレートよりもジャックの方が精神的に強いというのはなんというか、グレートが頼りない感じがしてしまいますね。ジャックだって少し前までは動揺していたのに。
ここでジャックがゴーデスに対して働きかける揺さぶりも、日本語版では「全てを吸収した後に、友達一人いない世界でどうするんだ?」という、いつか訪れる孤独を煽っていたのに対して、原語版では「おまえは食い尽くすことしか知らない」と挑発することで冷静さを失わせる、と言う具合にニュアンスが異なります。
大人のドラマとして見た場合は原語版の方が妥当なのですが、子供番組という観点で見れば日本語版の方が良いともいえ、どちらも甲乙つけがたいですが、煽り耐性が低すぎて地球人の挑発にあっけなくやられるゴーデスも、グレート同様にメンタルが弱いんですね。
ラスト
ラストシーンも良いですね。
冷静に考えると、ジャックがゴーデスを揺さぶったぐらいてどうして勝てたのかよくわかんないんですが、大団円で清々しい気持ちで終わるので、細かい事はまぁいいか、という感じで終わります。
第6話はジャックとジーンのラブロマンス的な要素もあるんですが、大人の恋愛という感じで、セブンにおけるダンとアンヌや、ティガにおけるダイゴとレナのような湿っぽさがありません。お互いに信頼しているからこそ、言葉が無くても通じ合っている的な、なんかすごい落ち着いた「愛」で締めくくられるのが、とてもよかったです。
抱き合うジャックとジーンの姿を見て、思わずキムもチャールズをハグしますが、この二人はデキてるんですかね?それとも西洋人特有のスキンシップなんでしょうかね。

