第1話「ゴメスを倒せ」

工事中のトンネルから古代怪獣ゴメスが出現!
これに立ち向かうため、卵から孵化した原始怪鳥リトラが立ち向かう!!
概要
ウルトラシリーズが初めてTV放送された記念すべきエピソードです。
放送日は1966年の1月2日、まさに正月休みの中での放送でした。
当時は今みたいに特撮番組がTV放送なんてされていない時代。
怪獣と会えるのは、年末年始に公開される怪獣映画だけ。
そんな時代に「お茶の間でも怪獣映画を」という思いで作られたのがウルトラQだったわけです。
(当初は特撮ミステリー企画だったものが、途中で怪獣路線に切り替わったので最初からお茶の間に怪獣映画を届けるためだったかと言うと厳密には違うんですが)
「当時の子供たちは正月から怪獣が観られたのか~」とワクワクするところもあるのですが、製作側としては「正月に放送しても(実家に帰省するなどして)誰も観ないだろうから」という理由で反対していたみたいですね。もっとも、視聴率は32.2%を記録したということで、製作側の心配は杞憂に終わったわけですが。
物語
何かが起こりそうな空気感の工事現場を経て、OPのスタッフクレジットと共にゴメスの巨体が長々と画面に映り、OPが終わったかと思ったら、レギュラーキャラクターの3人組が流れるように登場して現場に向かう・・・というスピーディでわかりやすい導入に、主人公の万城目とヒロインの由利子が洞窟内に閉じ込められて二人だけで奮闘するなど物語構成もわかりやすく、流石第1話らしい展開だと唸らずにはいられない内容ですが、当初の予定では第3話「宇宙からの贈りもの」が放送される事になっていたということで、もしかするとウルトラ怪獣第1号の座をつかみ取ったのがナメゴンになっていたかもしれないというのは、今後の歴史が変わっていたかもしれない非常にスリリングな出来事ですね。
古代怪獣ゴメス
トンネル工事現場に出現した怪獣です。
まだこのころは怪獣という概念が定着していない時代なので、良くも悪くも偶然でてきた大きな生き物くらいの扱いで、最近の怪獣のような超能力は特にありません。
ゴメスは、名実共にウルトラ怪獣第1号の座に君臨するわけですが、直撃世代の知名度とは裏腹に、初登場から40年近く経った後の「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY」が放送されるまで長らく再登場しない怪獣でした。
そんな訳もあり、子供心に「最初に出た怪獣だけどなんだか地味だなぁ」としか思っていなくて、ゴメスの魅力を理解できたのも、ここ最近になって、特撮の歴史について調べ始めてからでした。
(商品化も2000年代になってからなので、かなり遅い方です。90年代初頭あたりに発売しておけば当時世代にかなり売れたんじゃないかと思うのですが。)
大怪獣バトルでの登場以降は、着ぐるみがあるからという理由もあるのでしょうが、度々再登場するようになり、ポピュラーな怪獣になったような気もします。
事前情報無しで「シン・ウルトラマン」に登場した時はかなり興奮しましたね。
原始怪鳥リトラ
ゴメスを倒すために卵から生まれた鳥型の怪獣です。
設定では鳥類と爬虫類の中間という事になっていますが、それって始祖鳥ってことでいいんじゃないでしょうか。1960年代当時は始祖鳥ってまだそこまでポピュラーな存在じゃなかったんですかね?
リトラは、口からシトロネラアシッドと呼ばれる液体を吐き出してゴメスを攻撃するのですが、このシトロネラアシッドは後年「ウルトラマンアーク」でゴメスが登場した時にも対ゴメス用の武器として登場しました。
リトラの動きが翼のはためきだけで表現されるのは、当時の特撮技術で鳥型の怪獣を操演するのが難しかったが故の苦肉の策だとは思うのですが、それはそれとしても迫力ある映像で大満足でした。
リトラもゴメス同様、なかなか再登場や商品化の機会が無く、ゴメス同様に「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY」でファイヤーリトラとして登場・商品化されました。本音を言うとファイヤーリトラじゃなくて、通常のリトラとして出して欲しかったんですが。リトラだと、見た目ただの鳥なので、購入層の子供たちにウケないと思ったんでしょうかね。
特撮
身長40mのウルトラマンと戦う怪獣とは異なり、10mとかなり小さく設定されているので、ミニチュアも大きく作られており、その分迫力があります。
ゴジラやウルトラマンのように怪獣を攻撃する兵器が登場しないので、居合わせた人々はゴメスとリトラが戦う様子を固唾を飲んで見守るしかないわけですが、爆発シーンの無いジワリジワリとした張り詰めた空気感が見所とも言えます。
戦闘シーンも、ひたすらにゴメスの顔アップと、リトラの翼がバサバサとはためくカットの連続で、野性味あふれる猛々しい映像になっており、今後のウルトラマン対怪獣の戦い方とは異なる演出で、なかなか面白いものになっています。
まとめ
55年と続くウルトラシリーズの第1作かつ第1話ということもあり、全てのはじまりの回です。
長い歴史の中で番組のコンセプトもかなり変わってきていますが、ことウルトラQに関してはまだヒーローが登場しないので、コンパクトな怪獣映画という印象です。
ウルトラマンとして観てしまうと、派手さが無いので退屈に感じてしまいますが、怪獣映画として観るとスッキリしていて観やすいです。
タイトル通りゴメスをやっつけたのに、リトラの死に対してフォーカスされており、あまりスッキリしないラストも面白いですね。

